パチンコ・パチスロの基板を見ると、封印シールやかしめで厳重に閉じられています。「なんでこんなに厳重なの?」と思ったことはありませんか。
その答えは、過去にあります。かつて基板を不正に書き換えた「裏モノ」が横行し、摘発が相次いだ時代があった。現在の厳重なセキュリティは、その苦い歴史の産物です。封印シールが生まれた背景を、業界史としてたどります。
「裏モノ」とは何か
裏モノとは、正規のロム(プログラム)を不正に改造した基板や台の総称です。検定を通した本来のプログラムとは違う動きをするよう仕込まれています。
裏モノには、大きく2つの出どころがありました。
- 店側が仕込むもの:出玉を不正に絞る/特定客に出す等の目的
- ゴト師が仕込むもの:不正に大量出玉を得る目的
どちらも、検定を通した状態と違う動きをさせる「無承認変更」にあたり、風営法違反です。
摘発が相次いだ時代
裏モノや不正基板は、都市伝説ではなく実際に摘発された事件として記録されています。
- 2003年、あるホールで不正ロムと出玉調整用の機器を接続していたとして、運営会社の関係者が摘発された事件が報じられました。スロットの遠隔操作としては全国初の摘発ともいわれます
- 2006年にも、パチンコ台に不正基板を仕込んでいたとして経営者らが摘発された事件が報じられています
- そのほかにも、複数店舗の主基板を無承認で交換していた事例などが伝えられています
こうした事件が、「不正は必ず摘発される」という前例を積み上げていきました。
※事件の概要は報道をもとにした要約です。現在営業している個別の店舗を不正と結びつけて断定するものではありません。
対策としての「封印」と「検査」
摘発の歴史を経て、遊技機のセキュリティは大幅に強化されます。今の仕組みはこうです。
- 主基板は封印シール・かしめで物理的に保護され、開ければ痕跡が残る
- 市場に出る前に、検査機関の型式試験(適合検査)を通す
- 設置や変更は公安委員会の承認制で管理される
- 抜き打ちの立入検査もある
つまり、あの封印シールは飾りではなく、「無承認変更をさせない・したら分かる」ための仕掛け。裏モノ事件の反省が、そのまま形になったものです。
だから「今も裏モノだらけ」はガセ
ここが重要な結論です。「昔あったんだから今もあるはず」——これは成り立ちません。むしろ過去の事件を教訓に監視が厳格化された結果、店ぐるみの裏モノは実質的に割に合わなくなりました。発覚すれば営業許可の取消という致命傷が待っているからです。
「この店は裏モノを使ってる」と疑う人は今もいますが、その多くは負けを外部のせいにしたい心理から来る思い込みです。同じ構造は遠隔操作は実在するのかでも解説しています。
負けの原因を陰謀に求めても、収支は1円も改善しません。改善するのは、期待値プラスの台を選べているかどうか。狙い目は天井・ゾーン期待値の計算ツールで数字で確認できます。
不正の歴史は、セキュリティの歴史でもあります。ゴト師との攻防は体感器ゴトと最高裁判例、そのほかの伝説はパチンコ・スロット都市伝説10選からどうぞ。
