1999年、アルゼから登場した『大花火』。シンプルなゲーム性ながら、多くのスロッターを魅了した名機です。
その人気は驚異的で、約20万台を売り上げたとされます。しかし、その爆発的なヒットの裏には、「セット販売」で当局から指導を受けるという影の一面もありました。名機の栄光と、その裏側を辿ります。
シンプルさで勝った名機
大花火は、いわゆるA-700タイプ。派手な爆裂性能で押すのではなく、シンプルで完成された遊技性で愛されました。最高獲得は711枚。一撃の夢を追う爆裂機とは違う、堅実な面白さがあったのです。
その人気は、数字が証明しています。約20万台という販売台数は、当時のアルゼブランドで最多クラス。山佐のニューパルサーに次ぐ、当時歴代2位クラスの記録だったとされます。「シンプルで飽きない」という価値が、これだけの台数を動かした。爆発力ではなく完成度で勝った名機、それが大花火です。
影:「セット販売」で当局の指導
しかし、売れすぎた名機には影もありました。「セット販売」問題です。
あまりに人気だった大花火は、その集客力ゆえに、「大花火を売るなら、別の(人気のない)機種も一緒に買ってくれ」という抱き合わせ販売が業界で行われたとされます。この販売手法が問題視され、当局から指導を受ける事態になったことが記録されています。
人気機種を"人質"に、売れ残りを押し込む——これは名機の光の裏で起きた、業界の商習慣の影の部分でした。名機であればこそ、その集客力が別の問題を生んだわけです。
※セット販売と当局指導の経緯は事典類の記述に基づく概要です。細部には諸説あります。
裏モノの噂について
大花火には、改造版(裏モノ)が存在したという噂もあります。ただし、こうした裏モノはホール側の違法改造であって、メーカーとは無関係です。
しかも、この手の裏モノの話は、出どころが個人の証言・ブログに限られることが多く、ソースとしては弱い。「そういう噂がある」という以上には踏み込めません。裏モノがなぜ生まれ、どう摘発されてきたかの本筋は封印シールはなぜ生まれたのか(裏モノ事件史)にまとめています。
名機の記録には、光と影が両方ある
大花火の物語は、「シンプルさで20万台を売った栄光」と「セット販売で指導された影」の両面でできています。名機の記録は、ヒット数だけではない。その人気が業界にどんな現象を引き起こしたかまで見ると、一台の台がぐっと立体的に見えてきます。
売れた台には、売れたなりのドラマがある。名機がどう文化を作ったかは社会現象になった名機の文化史、ほかの機種伝説はパチンコ・スロット都市伝説10選からどうぞ。
