2026年7月31日、豊丸産業がパチンコ事業を停止しました。1960年の設立から66年。「ナナシー」シリーズをはじめ数々の機種を世に送り出してきた老舗メーカーの撤退は、日本経済新聞でも報じられ、業界の内外に大きな反響を呼んでいます。
このニュースを「一メーカーの撤退」で終わらせず、いま業界で何が起きているのか、打ち手に何が関係するのかまで整理します。
何が起きたのか
- 2026年7月31日をもってパチンコ事業を停止(業界紙・日経報道)
- 豊丸産業は1960年設立。66年にわたりパチンコ機の開発・製造を続けてきた老舗
- 事業停止の理由は「事業環境や経営状況を踏まえての決断」と説明されています
豊丸というメーカー
豊丸の代名詞といえば「ナナシー」シリーズです。派手な液晶演出の対極にある、シンプルで分かりやすいゲーム性。スペックや演出が複雑化し続けた業界の中で、「難しいことを考えずに打てる台」を好むファンに長く愛されてきました。
大手のようなビッグIPタイアップ路線とは違う立ち位置を保ち続けたメーカーの撤退は、「多様な台が並ぶホール」が少しずつ痩せていくことを意味します。
なぜ今か — 撤退の背景にある業界の構造変化
豊丸単体の経営判断ではありますが、背景には業界全体の地殻変動があります。
1. ホールが減り続けている
全国のホール数は約6,450店まで減少しています(2026年時点・業界統計)。特に設置300台以下の小型店の閉店が目立ちます。ホールが減れば機械の販売台数も減る——メーカーの体力を直撃する構図です。
2. スマート遊技機シフトの開発負担
現在はスマスロが販売の約87%、スマパチが約59%を占めるとされ、機械開発はスマート遊技機が前提の時代です。新しい規格への対応は開発コストがかさむと指摘されており、体力のある大手とそれ以外の差が開きやすくなっています。
3. 再編の加速
2026年4月にはマルハンが公楽グループのパチンコ事業を承継するなど、ホール側でも大手への集約が進んでいます。一方でABC刈谷店が10年ぶりの新規出店(8月8日グランドオープン・過去最大のパチスロ比率と報じられる)のような攻めの動きもあり、「撤退する側」と「集約して強くなる側」がはっきり分かれてきました。
打ち手への影響
設置中の豊丸機はどうなる?
事業停止後の焦点は、設置済み機種の部品供給・アフター対応がどこまで続くかです。一般に、メーカーの撤退後は修理対応が縮小し、設置は徐々に減っていきます。ナナシー系を打てるホールは今後貴重になっていく可能性が高いでしょう。
「店の体力」が台選びの前提になる時代
メーカーもホールも淘汰が進む時代は、どの店で打つかの重要性が増します。閉店間際の店は最後まで回収に回りがちで、逆に生き残る店・攻める店には稼働と調整が集中します。店の見極め方はホールが減る時代の店選びで詳しく整理しています。
まとめ
- 豊丸産業が2026年7月31日でパチンコ事業を停止。1960年から66年の歴史に幕
- 背景にはホール数約6,450店への減少・スマート遊技機シフトの開発負担・業界再編の加速
- 打ち手への当面の影響は限定的だが、設置中の豊丸機は今後減っていく見込み
- メーカーもホールも淘汰の時代。「どの店で打つか」の目がこれまで以上に重要に
パチンコ・パチスロの規制と業界の歴史はMAX機はなぜ消えたのか、フィーバー機誕生の衝撃でも辿れます。
